オメガバース 絶対αとΩ

オメガバースの小説を書いてみたくて

5人の絶対αと一人(俺!)のΩ 三話-先生のいけないアドバイス

「じゃ、これで転入初日の注意事項は終わりです。はい、これ身に付けてね」
そう言って、担任の田代歩弥先生は、にっこり笑った。
ここは、白蘭の応接室。
雅は、田代先生から細かな説明を受けている。
田代先生は、小柄で、ピンクの頬っぺたをした可愛い先生だ。
男には興味のない、雅でも笑顔を向けられると、ドキドキしちゃう。
手渡された小箱は、少し大きめの宝石箱みたいに見える。
「これは?」
「開けてみて、学校が支給する防具だよ」
防具と言われて、何のことか分からず開けてみる。
宝石箱みたいな箱の中には、綺麗な銀のチョーカーが入っていた。
チョーカーの真ん中、首の中心にくる部分はピンクゴールドで学校の紋章が刻まれている。
「可愛い!これ、チョーカーじゃん。さすがαの名門は、入学するとこんなアクセまでくれるんだ!俺、似合うかな♥️」
ウキウキしながら、雅はチョーカーを側にある鏡の前で当ててみる。
「チョーカーじゃないよ!それは、対α番防止の防具だよ♥️。発情して、理性を失ったαに首を噛まれないよう、これからは必ず身に付けてね!」
「え?対α?」
ウキウキしていた雅の顔が、一瞬で曇る。
「そう!皆、抑制剤を飲んでるけど。Ωと番になるために、実力行使するおバカさんが居ないとは限らないからね」
田代先生は、全く邪気のない笑顔でそう言った。
「俺!番になるつもり全く無いから!俺の目標は、落第しない!大学まで白蘭に通って、ちゃんと就職する!ですから!」
田代先生は、あっさりと
「良いんじゃない?Ωだからって、αと番になる何て決められたくないよね。分かる、分かる」
と、頷きながら、
「だったら、尚のこと防具は必需品だよ。僕も在学中は、番持ちになるまで、着けていたし」
「え?先生はΩなの?」
「そう。Ωだよ。この学校にΩ枠で入学して、大学で教員資格とったの」
ニコニコ笑顔の田代先生は、
「僕もねえ、番とか強制されたみたいで嫌だった。Ωだからって、それしか未来がないみたいなのも抵抗感じたし。だから、好きな人が出来ても、最後の最後までそのチョーカーみたいな防具は、外さなかったよ。まあ、自分で納得して噛ませたけどね(笑)。僕の相手は、結構しんどかったみたいだけど(笑)」
首を摩りながら、
「Ωの安売りはする必要ないし。好きなαが出来ても、焦らして焦らして、最後に渋々って感じで番になる方が、αも燃えて愛も深まるし。その辺は、Ωが上手くコントロールするのもありだよね」
ピンクの頬っぺたの可愛い先生は、可愛い小悪魔の顔をして、にっこり笑った。
「焦らしたとか、そんなんじゃなくて!本当に番に興味ないんで!」
雅は、ちょっと語気を強めて改めて言う。
先生は大丈夫、分かってるよって感じで頷いている。
そこへ、トントントンとノックがして、
「失礼します。入ります」
と、声を掛けて誰か入ってくる。